惜別500系のぞみ



ここでは、2010年2月28日限りで、惜しまれつつも姿を消した、500系新幹線「のぞみ」の画像などを掲載します。



その日は、静岡県での大雨の影響で、「のぞみ9号」は2時間以上遅れて岡山駅に到着しました。
2008年8月25日撮影 山陽新幹線・岡山駅






車体側面のロゴマークが目をひきます。
2008年8月25日撮影 山陽新幹線・岡山駅






行き先表示が「のぞみ・博多」と表示されています。それも、今は見られません。
2008年8月25日撮影 山陽新幹線・岡山駅






「のぞみ9号」は、博多駅を目指して走り去っていきました。
2008年8月25日撮影 山陽新幹線・岡山駅






「のぞみ9号」が吉井川を渡っていきました。
2008年9月24日撮影 山陽新幹線・相生〜岡山






10月の晴れたある日も、「のぞみ9号」が、吉井川を渡っていきました。
2008年10月2日撮影 山陽新幹線・相生〜岡山






秋晴れのある日も、「のぞみ9号」が、吉井川を渡りました。
2008年11月12日撮影 山陽新幹線・相生〜岡山






冬の晴れたある日の加古川を、「のぞみ29号」が渡っていきました。
2010年1月29日撮影 山陽新幹線・西明石〜姫路



ここにある画像は、すべて銀塩カメラ(機種は、ミノルタα707-si)で撮影して、CDフォト化したものです。


500系新幹線電車は、国内初の最高速度300km/hでの営業運転用車両として、平成8年(1996年)に誕生しました。 平成9年(1997年)のダイヤ改正で、山陽新幹線の新大阪〜博多の「のぞみ」号で、営業運転が開始され、同年の11月のダイヤ改正で、東海道新幹線・東京乗り入れが行われるようになりました。
それにより、東京と博多を、列車で5時間未満で移動できるようになりました。
平成11年までに、従来300系で運転されていた「のぞみ」号の一部が、徐々に500系に置き換えられていきました。
しかし、500系電車は、長期にわたっての大量増備は行われず、JR西日本のみが9編成目を新製したのを最後に、増備が打ち切られました。
独特の車体形状で、実用性が多少犠牲になっていたことや、車両や編成の定員が300系と異なっていたことなどが、その理由といわれています。
当時、JR東海とJR西日本は共同で、300系の後継の標準形式として、700系の開発を進めていたことから、平成10年(1998年)を最後に、500系の製造は打ち切られ、それ以降は、700系が製造・増備されて、300系で残っていた「のぞみ」号を置き換えていくようになりました。
平成11年(1999年)のダイヤ改正で、700系の営業運転が開始され、500系は、最新型車両ではなくなりましたが、700系は、営業運転での最高速度が285km/hに抑えられたため、国内最高速車両としての地位は保っていました。
したがって、それからしばらくの間も、500系が国内唯一の300km/h営業運転車両であり、JR西日本が、300km/h営業運転車両を所有する唯一の鉄道事業者でした。
その500系に転機が訪れたのは、平成19年(2007年)に、N700系の営業運転が開始されてからでした。
N700系は、最高速度が500系と同じ300km/hであるほか、新幹線初の車体傾斜システムにより、カーブの通過速度を向上させた点が特長の車両です。
また、N700系は、各車両や編成あたりの定員を、300系や700系と共通化することも前提に開発された車両でもあります。
それにより、JR東海からは、各車両や編成あたりの定員が、他の形式と異なる500系の乗り入れを廃止したいという要望が高まり、N700系の増備が進むにつれて、500系「のぞみ」は縮小の一途をたどりました。
平成20年(2008年)3月のダイヤ改正では、500系を使用した「のぞみ」は、下りは9号と29号、上りは6号と50号の、計2往復に縮小されました。
なお、余剰となった編成は、8両編成に短縮の上、山陽新幹線の「こだま」への転用が行われています。
平成21年(2009年)3月のダイヤ改正では、500系「のぞみ」の運転本数は2往復と変わりませんでしたが、下りが29号と51号、上りが6号と28号へと、充当列車の変更がありました。
しかし、平成21年(2009年)の秋には、うち1往復がN700系に置き換わり、500系「のぞみ」の運転本数は1往復のみとなりました。
そして、平成22年(2010年)2月28日の運転をもって、最後の1往復も、N700系へ置き換えられ、新幹線のスピードアップの立役者だった500系「のぞみ」は、姿を消しました。
最後まで残った500系「のぞみ」は、下りが29号、上りが6号でした。
JR東海の事情により、不遇な車両となった感は否めませんでしたが、誕生時のインパクトや特徴ある姿など、一度見た者は忘れることができない車両でもあるでしょう。
500系「のぞみ」は、前述の通り、営業運転を終了しましたが、8両に短縮された500系「こだま」は、これからも活躍を期待したいと思います。



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